「畠山さんの作品が、福島正実記念SF童話賞の佳作にえらばれました」
	
 そんな電話を岩崎書店の方からいただいたのは、二月下旬のことでした。
	
 うれしい。でも、くやしい。
	
 まっさきに、そう思いました。作品を認めていただいたのは、うれしい。ただ、大賞作は出版されるけれど、佳作はされないのです。あと一歩で、出版されたのに。
	
 華やかな授賞式で、雲の上の方がたにお会いしました。日常にもどり、夢見心地からさめたあと、くやしい気持ちは大きくなるばかりです。
	
 季節風などの勉強会に参加させていただくと、出版というかべの前に、これだけたくさんの力のある人たちがいるのだなあ、と打ちのめされたような気持ちになります。もう書くことなんてやめてしまおうか。でも、面白そうなネタを思いつくとまた書きたくなってしまう。揺れ動いている日々です。
	
 あと一歩。
	
 だから、もう一回。
	
 佳作をいただき、次の挑戦へちょっと背中を押されたような気がします。
	
 岩崎書店のみなさま、選考委員のみなさま、本当にありがとうございました。