受賞のことば

石川 純子

 一人でポツポツとパソコンで文章を打っていると、息が詰まってきて苦しくなる事があります。別に誰に頼まれている訳でもないのに、よくやるよねと独り言。でも、なぜか書かずにはおられないこの思い。
 たまった作品は、ほとんど読まれる機会もなく、引き出しの中や、ダンボールの中で、ふてくされて眠っています。いや、ふてくされているのはわたし?  
 いつかはだれかに読んでもらえるようにがんばるから、それまでおとなしくしてねと、作品たちをなだめています。
 そんなとき、たまに応募した作品が入選すると、いそいそと表彰式へ出かけます。単純なわたしは、気持が晴れてちょっとした作家さん気分? 今回のアンデルセンのメルヘン大賞の入選作「真昼のプラネタリウム」は、開発で古くなった市場が壊されていくお話です。なぜか、この賞、三回も入選しています。公募にも、相性があるのでしょうか。公募入選は、わたしの心のカンフル剤。めげそうな心に、小さな灯をともしてくれます。出版に直接つながらない公募がほとんどですが、だれかが評価してくれた、それだけで、書き続けていく意欲につながります。そうそう、前に友人に言われた事があります。
「楽しんで書いている間は、プロにはなれない」そのお言葉、いまなお身に沁みる今日この頃です。ありがとうございました。

トップにもどる