受賞のことば

伊東未夜

 はじめまして、伊東未夜と申します。前号の157号では楽天性分科会の推薦作として「なべ」という作品を掲載して頂きました。そして今回は「受賞のことば」としてお礼とご報告をさせて頂くことになり、心より感謝と嬉しさを感じております。
 昨年10月末、初めて参加をした季節風大会では皆さまに終始親切にして頂いたうえ……信じられないことに、「作品が推薦作に」という感激の流れがありました。
 そしてその感激とともに幸福感をまだゆっくりと味わっている最中、「新美南吉童話賞の入選候補になっています」という電話連絡があったのです。大会から数日後のことです。
「これは、参加をした楽天性分科会の方々を始めとする季節風の皆さまから、ハッピーな創作エネルギーを受け取ったからに違いない!」と、確信しました!
 受賞作である「ソウスケさんとオリガニ」というお話も、わたしが現実世界で出会った人から受け取った温かな気持ちから生まれた物語です。
「誰か≠ニ出会い続けたい、出会った誰か≠ニ言葉を交わしたい、可能であるならより楽しくより深く……そのことで、自分のなかの熱を持ったやわらかな部分がすこやかに拡がってゆく。そこからしか生まれないみずみずとしたものを掬い取って、奏でたい!」
 ……という欲望に似た願望が自分のなかにあることを、これからも正しく肯定していきたいと思います。
 リスペクトする童話作家の1人である新美南吉氏の賞を頂けたという夢のような現実と、季節風さんから確かに受け取った幸運と光のようなもの……わたしの日々に吹いてきた新しい風≠ヘ心地よく、とてもよい匂いがしています。どうぞ末長く、よろしくお願いいたします!!

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