岡山市文学賞「市民の童話」最優秀賞をいただいて

小郷 文子

 ずっと以前、――季節風61号(1999年)の【季節のアンテナ】に豊島のこと書いてよ――と後藤さんに声をかけていただき「豊島からみえてきたもの」というレポートを掲載してもらったことがあります。その時、いつか児童文学で書こうと心に留めました。今回の受賞作『月夜島のシエル』は月夜島にすむオカヤドカリで主人公のシエルが、仲間のカラスやコウモリと一緒に、すみかを脅かすゴミの不法投棄に立ち向かっていく姿を短編で描きました。
 あきらめでなく希望を、ひとりではなく信じあえる仲間とのつながりあいを、思うだけじゃなく行動することで道は必ずみつかるよと伝えたいと思いました。今年になってやっとこの短編を書くことができ、もう一つ書いた長編は秋の大会に持ち込みました。物語分科会の世話人あさのあつこさんをはじめ仲間に温かくて厳しい批評をもらい鍛えてもらいました。ここに至るまでの時間を思うと、書くということは実際大変なことだと思います。けれど、この受賞の感激を創作に向け、更に精進し物語を紡ぎ続けたいと思います。励ましてくれた仲間たちに心から感謝しています。ほんとうにありがとうございました。
2012.12.26

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