受賞のことば

おおぎやなぎ ちか

 書いた作品を第三者に読んでもらうには、いくつか方法があるが、公募への応募は、下読みの方の手を経て、複数の最終選考委員(つばさ賞の場合、七名の作家)が読んでくださるという、嬉しい機会だと思う。(他にも家族、友人に読んでもらう。合評会に出す、持ち込みをする、といろいろあるが)
 さてこのたび、その結果、佳作という賞をいただいた。佳作というのは、「うん、まあまあいいよ」でも、「本にするにはもう少しかなあ」という位置だろうか……。そう、自分の書いたものが賞をいただくという栄誉と、完成度に欠けるという現実。喜びと落胆。
 もちろん栄誉は、感受。だがここで満足し、ストップするわけにはいかない。多くの先輩の皆さんがその道を歩んでいるように、一歩でも前進すべく、書き続けなくてはいけないと気持ちを新たにさせていただいた受賞でもある。
 授賞式では、児童文芸家協会の選考委員の先生から、選考にともなう感想や、改稿に向けてのアドバイスをいただけると思う。それを噛みしめて、書き直しをしたい。
 気力体力を落とさぬようにしながら(かなり落ち気味ではあるが、これ以上は……)、目の前のハードルを、いつか越えていける日をめざすしかない。本屋や図書館に行けば、「季節風」のみなさんの本がずらりと並んでいる。みなさん、きっと日々努力をしてらっしゃっての結果がこれなのだと、声なき励ましをいただいている。
 ありがとうございました。そして、これからもどうぞよろしく。

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