受賞のことば

佐藤 伊津子

 去年のクリスマスイブ、日産 童話と絵本のグランプリの受賞連絡が舞い込みました。
 他のコンクールにも応募したことがありますが、他は全然ダメなのに、コンクールにも相性があるのか、日産のグランプリでは、過去三回佳作を頂きました。
 そのたびに、次こそ大賞をねらって夢の出版を! と意気込んでいました。(日産のグランプリでは、大賞作品のみが出版されます)
 なので、はじめ受賞のお電話を頂いたときには、飛び上がりたいほどの嬉しさの中で、「出版はされないですよね」と、冷静に確認していました。
 ですが、三月の授賞式では、一段上がることができた喜びと、書く私を支えてくれた家族や友人、創作仲間への感謝の気持ちで、胸が熱くなりました。
「どうして書きたいなんて思ってしまったんだろう」と、今まで何度となくへこみました。それでも、「やめたい」とは思いませんでした。前を向いて書き続けてこられたのは、まわりの皆さまのおかげです。
「フリマでゲット!」は、双子の兄弟が、お母さんにないしょでフリーマーケットに出店するお話です。
 十枚という短い枚数の中に、人物のキャラクターを書きこみ、ストーリーの盛り上がりを入れるのは、難しいところでしたが、今回はふわっと頭に浮かんだアイディアをたよりにして、双子のキャラクターを書き分けることに、注力しました。
 出版は逃しましたが、自分の作品が、入賞作品集のリーフレットに掲載されたり、ホームページに載ったりすることで、活字となって多くの方に読んで頂けると思うと、ただただ純粋に嬉しいです。
 季節風の皆さまには、私の受賞をいっしょに喜んで下さり、大変嬉しく本当にありがたく思っています。
 これからも、一歩一歩、進んでいけたらと思っています。どうぞよろしくお願い申し上げます。

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