詩「赤城おろし」に思う

山田 よう

 上州(群馬)は、冬になると、たいそう強い風が吹きます。
 それを、空っ風といいます。
 空は、一年の多くの日、突き抜けるように青く、空気はかなりサッパリしています。
 冬の夜空は格別綺麗で、少女時代には、星々や月をしょっちゅう観察しました。
 雪はほとんど降りませんが、時たま降ると、窓ガラスの外にスノーフレークが落下する様子を、飽きずに眺めました。
前橋は、詩と水の街と言われます。詩を書く人が多い、それは、空っ風のせいかもしれません。風の中、大声で誰かと話すと、吹きまくる風で、長いセンテンスが短くカットされてしまうから、自然に詩の形になるようなのです…。
 私が詩を書き始めましたのは、二十四年前に群馬の母が、交通事故で急逝したことがきっかけです。母を突然失って、心にポッカリと空いた穴を埋めるのには、詩を書くことしかありませんでした。
 なぜ、詩を書くことしかないと思ったのか、それは自分にも分かりません。
 母のことを書いた詩を、ある詩誌に投稿したところ、掲載され、その後、現代詩を書き始めました。
 少年詩と出会ったのは、二〇一一年、日本児童文学者協会の創作教室に入ったころからです。
 このたび、拙作「赤城おろし」が児文協の年間投稿賞に入選し、編集委員の皆さまはじめ、お読みくださった方々に、心より感謝申し上げます。
 贈呈式後のパーティーで、皆さま酔いが回ったころ、編集長のいずみたかひろさんにエスコートされ、壇上に上がりましたが、いずみさんに「なにか簡単に一言を」と促され、
「キューンとしました!」と詩の中の言葉を使いまして、まことにシンプルに喋りました。
 私はお酒が弱いので、すでに酔っぱらっていたのではないかと思います。
 今後は、今まであまり読んでこなかった古今東西の良い詩を多く読んで、詩を書き続けることと、掌編、短編をたくさん書き、そしてもしかしたら、長編へもチャレンジできればと考えています。
 季節風の皆さま、お仲間に入れていただいて、たいへん光栄です。
 ドンドン、ビシビシと厳しくも温かいご指導、ご高評を頂ければ、幸いです。

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